社協だより№139  2  「福祉」に寄せる思い ~平成29年度  福祉作文コンクール受賞者決定~  このコンクールは、市内の児童・生徒が日常生活や学校生活の中で「福祉」について考えていること、体験したことなどを作文で表現し、次世代を担う子どもたちからのメッセージとして広く伝えることを目的に実施しています。  受賞者の表彰式は、11月14日の「ふくしのつどい」の席上で行われ、9人の表彰と最優秀賞を受賞した 草野咲さんによる作文の朗読を行いました。 (受賞者は、3ページ上段の皆さんです)  おめでとうございます! 『障害者と関わること』 最優秀賞作文 久慈中学校3年 くさのさき 草野咲さん  私は最近、障害についてよく考える。実際家族や友達に障害を持っている人がいるわけではない。しかし、バスや電車などの公共機関で障害者を見かけると思い出すことがある。  小学校低学年の頃、友達と公園で遊んでいた時の事だ。見た目は私たちより四歳程上の女の子に 「一緒に遊ぼう。」 と声をかけられた。一瞬驚いたが遊んでいると楽しくて特に違和感は感じなかった。しかし事件が起こった。暗くなったから、と私たちが帰ろうとすると腕をつかみ、泣き出し、離してくれない。私は怖くなり泣きながら無理矢理家に帰ってしまった。もちろん、その子はついて来た。家で母に事情を話し、近所の人に聞いてその子は無事、家族と家に帰っていった。後で知った話、その子は障害を持っていて特別支援学校に通っていたそうだ。  私はその時も、今も障害者との関わり方がよく分からない。いざという時、どう対応すれば良いのか分からない。あの時、あの子のために私は何かできたのかもしれない。けれどその何か、は分からなかった。私にはひどい事をしてしまった、という後悔が残っている。なぜ分かり合えなかったのか。それは、壁があるからだと私は思う。確かに障害があると周りより成長が遅かったり、自分の心が上手にコントロールできなかったりする。思うように体が動かせないかもしれない。しかし、社会にでるために色々な人と交流する「学校」という場で壁を作っていいのか。世の中には一人一人皆違う人がいることを知る場に壁はいらないと思う。子供は単純で、「特別支援学校」という変わった響きの学校名、そして自分たちとは何かが違う、という違和感で障害者というラベルを貼る。そしてほとんどの人はきっとその人たちを冷やかな目線で見続ける。小さい頃から学校という壁で区別されてきたからそれが普通だと考える人が大半だと思う。だが、このままで良いのか。確かに特別支援学校を無くします、なんてことは無茶だ。その壁は私たちには壊すことが難しい。しかし、建物ではなく一人一人の心の壁なら壊せるのではないか。小さい頃、まだ純粋な時に違和感を覚えなければ良いのではないか。  私は少しの事でも未来の子ども達の心の壁を取りはらえると思う。例えば皆で給食を食べたり遊んだりとたわいのないことでいい。楽しかった思い出があれば、心の壁があったとしても薄い壁となるかもしれない。人間、十人十色。冷たい人だってもちろんいる。しかし、少しでも多くの人の心が障害者に対して温かいものになれると良い。それは、障害を持っていても持っていなくても誰かの心を救うと思う。 <原文のまま掲載しています〉