日立市社協だより№174 今号から 「人と人とをつなぐ」 皆さんをピックアップして ご紹介します! 人と人とをつなぐ #01 不登校、ひきこもりを経験したからこそ伝えたい イラストレーター/絵本作家 むらた なつか 村田 夏佳さん  近年、学校に行けない(行かない)「不登校」の子どもたちや、人間関係や過度 のストレスを抱え、家に引きこもってしまう人たちが社会問題の1つになってい ます。  見る人たちの心が温まり優しくなるような絵を描く、イラストレーター・絵本作家の村田夏佳さんも中学生のほとんどを不登校、引きこもって過ごした1人です。「みんなの輪の中に入ることができない子ども、いつでも“いい子”でいたいと過度に頑張る子どもでした」何事にも過敏に反応し、周りのことが気になってしまう子どもだったそうです。「今ではとても得意になりましたが、当時はタイプの違うさまざまな人のコミュニティは苦手でした」  そんな村田さんに、大きな転機が訪れたのが、不登校を乗り越え受験に成功した高校で、二度目の不登校になり、絶望していた時。不登校の生徒対象の留学システムを自分で見つけ、両親の応援もあり、ニュージーランドの学校に留学したことだそうです。 「そもそもの人種、瞳の色、髪の色が違って当たり前な世界で、自分はどこにいても自分なんだと分かりました」  帰国後は、小さい頃から大好きだった絵画を学びたいと美術系の大学に進学。同じ感性と同じ目標を持つ人間が集まる集団の中で、心を開放して暮らすことができたそうです。と、同時に「苦しい時もありますが、絵を描くことだけはどんなに辛くても頑張れる自分に気づきました」とも。  以後、みんなに幸せを感じてもらえるような絵を描きたい思いは、全く変わらず現在に至っています。優しい笑顔ですが、苦しかった長い時期を経験したからこその自信に溢れた表情で語ってくれました。 ※※ 作品キャプション ※※ 村田さん作品「プリンアラモード」 村田さん作品「SHIBADORA」 村田さん作品「久慈浜」 不登校やひきこもりの時期の両親との関わりは いつでも、私との適度な距離感を考えてくれていたと思います。 現在もそうですが、両親からの愛情を疑ったことは一度もあり ません。どんな状態の時でも私の味方になってくれました。 現在不登校で苦しんでいる人とそのご両親に 今いる場所が全てではない。得意不得意があり、 生きやすい場所は人によって違うのだと知ってほしいです。 日立市への思いは 日立市は山も海もあり、気の休まる場所で大好きです。市民の 方々が気軽に語れる場所が増えればいいですね。 令和6年12月5日号 4