日立市社協だより№176 このページでは、 「人との関わり」を大切に 人と人をつなげる活動を している皆さんを紹介します。 人と人とをつなぐひと #03 ―誠実に生きる・愛する・楽しむ・貢献する― わだ たかのり ㈱ただいま 和田 昂憲さん  コーヒーの豊かな香り  コーヒーの香ばしい豊かな香りが店内中に漂っています。  若葉町にある「ただいまコーヒー」の店内で、和田さんは、お客さん一人一人との会話を楽しむように、穏やかな表情で焙煎したての香りあふれるコーヒー豆について語っていました。  「幼少期は、ままごとが大好きで、みんなにおもちゃのお菓子や飲み物を振舞っていた記憶があります」また「母が調味料を変えると、においですぐにわかりました」  この頃には既に、将来、おもてなしや香りが大切なコーヒー店に携わる下地があったのかも知れません。  自分を捨て去る  関西の大学に進学した頃、恵まれた学びの環境に身を置き、多くの成功体験を重ねることで、自信を深めることができました。  しかし、社会人になってからは、自分の無力さを痛感する出来事があり、大きな挫折を経験します。会社を辞め、逃げるようにして単身、沖縄の小さな島へ移住することに。「島では、さまざまな過去を背負ってやってきた人たちと出会い、語り合いました」そう当時を振り返る和田さん。そうした出会いの中で、等身大の自分でいることの大切さ、これまで受けてきた恩への感謝、そしてどんな時でも“帰れる場所”があることの尊さに、気づいていったといいます。  コーヒー店を開きたい!  自分の大好きなコーヒーに携わる仕事がしたい――。  その思いは日に日に強くなり、やがて、のちに生涯の恩師となる愛知県のコーヒー店主に手紙を書き、修行の日々がスタートします。それ以来、迷うことなく「自分の店を持つ」という目標に向かって突き進み、さまざまな手段で資金を集めながら、人とのつながりも広げていきました。  そして28歳という若さで「ただいまコーヒー」をオープン。今では仲間とともにCOFFEE STAND GENKANも立ち上げ、世代を問わずコーヒー好きが集う、地域に愛される人気店へと育っています。  人を大切に 自分も楽しむ  お店の特徴は、コーヒーを味わうだけでなく、お店のスタッフとの語らいや癒しのひとときを楽しみに訪れるお客様が多いことです。「人を大切にしながら、自分も楽しむ。そしてビジネスは誠実に」そんな和田さんのモットーが、お店の雰囲気や空気感に大きく影響しているように感じます。和田さんは、「仕 事を通じて、だれもが“自分にとってのただいま”と言える場所を持てる社会に貢献したい」とも語ります。だからこそ、会社の名前は「株式会社ただいま」。その名のとおり、誰かの“帰ってこられる場所”をコーヒーを通じて育んでいます。 人と人とのつながりとは何ですか 考え方も価値観も違う人々が、心のキャッチボールができること。 相手を受容し、自分らしさを失わず語り合い、関わり合うことで、つながりはより強くなると思います。 今後の展望を教えてください 業界の垣根を越えて、人を愛し、自分も楽しむ。 様々な人間が集まる大きなネットワークを作り、人々やまちに貢献することが自分の役割だと感じています。 ただいまコーヒー 日立市若葉町1-13-5 0294-85-7715 10:00~19:00 定休日:水・日曜 COFFEE STAND GENKAN 日立市弁天町1-9-1 0294-85-7715 7:30~18:30 定休日:水・日曜 令和7年5月5日号 4